「大本営式・俗流トリアージ論」

 NHKスペシャル「玉砕 隠された真実」 8月12日放送(再放送は14日午前1時5分〜55分) を視聴しました。玉砕について初めて知ることが多く、大変勉強になりました。
 さて、この番組で特に強烈なインパクトを受けたのは、ニューギニアのブナにおいて、守備隊への援軍・補給が打ち切られて「棄軍」されたことについて、大本営の参謀が戦後にその内幕を明かした証言でした。以下は、その引用です。

大本営海軍部 作戦課長 富岡定俊大佐(当時)の証言(昭和45年)

「あの軍は敗残兵である。これに日本の海軍が駆逐艦や潜水艦で米を運ぶために出動したら、日本の海軍の戦力はなくなってしまうぞ。なくなったら作戦できなくなるじゃないか。」
「これを上司にあげましたよ。上司も捨てろというのです。」
「敗残兵になったら死んでしまえというのは当たり前じゃないか。」
「薬ひとつねだってもいけない。こういう原則でやったわけです。」

 これを聞いて、現代日本について語った言葉の様な気がして、仕方ありませんでした。