靖国参拝と東京裁判

東京裁判、正しかったか」 森岡氏、議員懇でも発言
2005年06月22日16時16分

 「誇りある歴史、伝統をもつ日本を次代に伝える」などをうたう超党派日本会議国会議員懇談会(会長・平沼赳夫経済産業相)は22日、国会内で総会を開き、首相の靖国参拝継続を支持する決議を採択した。

 その際に森岡正宏厚生労働政務官は「東京裁判が本当に正しかったのかどうかということを国民みんなに訴え、世界中の人たちにも発信すべきだ」と発言し、極東国際軍事裁判東京裁判)の正当性に改めて疑問を投げかけた。森岡氏は先月26日の自民党代議士会で東京裁判について「一方的な裁判だ」と批判。細田官房長官が「極東国際軍事裁判などは政府として受け入れている。政府の一員として話したということは到底ありえない」と述べていた。

 森岡氏は22日、「非常に厳しい言論統制連合国軍総司令部(GHQ)によって行われていた間に、日本人は一方的に『あの戦争は日本だけが悪かった』とすり込まれてしまった」と語った。

http://www.asahi.com/politics/update/0622/006.html

 森岡正宏氏は、東京裁判の正当性への疑問を世界中に発信することで、本当に支持を得られると思っているのだろうか、またそれを具体的にどのようにして行おうと考えているのだろうか、と不可解に思いました。本気で東京裁判の無効を主張するのなら、アメリカとの衝突は避けられないはずなのですから。

靖国参拝は国際的「約束」に違反、中国大使が発言
2005年06月23日19時27分

 中国の王毅(ワン・イー)駐日大使は23日、日中友好協会が都内で開いた講演会で、日中間の最大の懸案を「靖国参拝問題」とした上で、「日本はA級戦犯を裁いた東京裁判の結果を受け入れ、国際社会に復帰したのに、裁判の正当性に疑問を投げかける動きがある」と述べ、「靖国問題は内政問題の枠を超え、外交問題になっている。日本はこうした国際的な『約束』を再確認する必要がある」と語った。

 王大使は、小泉首相による靖国神社参拝について、「日中国交正常化の時、日本は対中侵略を認めておわびし、中国はそれをふまえて賠償請求権を放棄した。首相がA級戦犯のところへ行くことは中国との約束をたがえることになる」と指摘した。

 靖国神社に代わる新たな追悼施設の建設については「日本人自身がどうすれば近隣諸国と和解できるか、よく考えて判断してほしい」と述べた。

http://www.asahi.com/politics/update/0623/008.html

 とはいえ、さっそく中国側からこういう反応です。森岡正宏氏の発言は、今のところ小泉政権を窮地に追い込むことにしかなっていないように思えます。