雪の女王 第5話

 19世紀中頃を舞台にしたアニメ作品としては、過去に『アルプスの少女ハイジ』や『母をたずねて三千里』といったいわゆる「名作劇場」の傑作が存在しますが、それらに比べると、今回のエピソードはリアリティの度合いはかなり低めの印象でした。雪の女王の描写が非常にファンタジー的であることを考えると、これくらいが良いのかもしれませんが、第1・2話あたりで描写された村の人々の厳しい生活の描写からすると、今回のエピソードに登場したホテルの経営者夫妻(CV.宮本充三石琴乃)の善人ぶりには、いささか違和感を感じました。
 ところで、今回はゲストキャラを井上順氏が演じておられましたが、これからも「有名俳優」が登場することになるのでしょうか。やや作画の乱れが目立つようになってきたことから、また『ポワロとマープル』と同様に、「有名俳優」へのギャラによってアニメの制作現場にしわ寄せが行っているのではないか、という危惧を覚えずにはいられません。