絶対少年 第12話

 田菜編の終了。実に『絶対少年』らしい、盛り上がっているのだけれど盛り上がり過ぎない、明確な答えは出ていないのだけれどもこれで一先ずは区切りがついた、という感じの幕切れだったと思います。それにしても、謎を謎のまま視聴者に受け入れさせる語り口の上手さには舌を巻きます。
 ただ、「人は自分の見たいものを見る」「見たいものを見るということは、見たくないものは見ない、見えない、ということでもある」という科白は、ファンタジー作品としては全く正しいのですが、うっかりすると際限のない相対主義に陥り、「見る」こと自体を意味のないものとしてしまう危険もあるような気が、しないでもないです。もっとも、「見たくないものが見えないのは、どっちも同じなんだな」「よく見ろ」と美玖に言わせているところからすれば、これは杞憂なのでしょうが。
 次回からは横浜編だそうで、新主人公がラストに登場する「引き」も十分ですね。二年後の歩や美紀がどういう形で再登場するのか、そして美佳姉さんがようやく素顔で登場する?のも楽しみです。