絶対少年 第17話

 大きな事件が起こったりはしないけれど、相変わらず順調に面白いです。コミュニケーションとディスコミュニケーション、見えているものと見えないものを描き出す、物語の語り口の巧みさは流石だと思います。ハナさんの科白は、やや説明的に過ぎた印象がなきにしもあらずでしたが、こういう科白を述べるに相応しいキャラクターであることもまた確かでしょう。
 理恵子は、今回痛々しさが際立っていました。成基を心配して手を震わせる様子はまさに「恋する少女」という感じなのですが、本人が成基への気持ちに自覚的でないところが何とも……。
 一方の成基も、希紗に対しては素直に気持ちを表せるのに(「いてくれないと困る」は、口説き文句とも受け取れそうですが)、理恵子には必要以上に突き放すような物言いになってしまっており、これまた痛い感じですが、そのような科白を言ってしまう物語の流れの作り方が実に上手いと思います。
 美佳姉さんが再び登場して正樹に接触しましたが、それは単なる興味からきたものなのでしょうか?あるいは、彼女には何か明確な目的があるのでしょうか?
 余談ですが、美佳を演じる鈴木真仁さんは、かなり以前に『絶対少年』という題名のCDアルバムを発表しておられました。部屋を発掘して、聞きなおしてみたいと思います。
 それから、須河原さんにインタビューしていたアナウンサーを演じていたのが並木のり子さんだったことに気付き、鈴木真仁さんと並木のり子さんならチャチャとお鈴ちゃんだなあ、と『赤ずきんチャチャ』を懐かしく思い出しました。