名探偵ポワロとマープル 第37話

 「雲の中の死」その2。起承転結の承としては、順当な印象です。しかし、『フィギュア17』を観た後にこの作品を観ると、同じ高橋ナオヒト監督作品でありながらここまで差があるとは、と改めてため息が出てしまいます。特に作画や美術の落差には、愕然とさせられます。
 放送開始当時、六星蒼氏というアニメ演出家の方のHP「めぞん六星」にて、普通のアニメの原画単価は安いものでも4000円なのに、『ポワロとマープル』の原画単価は3500円で、制作費が低く抑えられているらしいという記事を目にしたことがあります(http://homepage1.nifty.com/1971629/)が、そういう切り詰めた製作状況は結局十分には改善できなかったようです。やはり、この作品の最大の問題は、話題作りのために「有名俳優」を出演させ続け、肝心のアニメ製作の現場に十分な資金をまわさなかったNHKのプロデューサーにあったような気がします。