絶対少年 第26話 

http://www.style.fm/as/13_special/mini_050823.shtml
名コンビが手がける日常的ファンタジー絶対少年
伊藤和典×望月智充インタビュー(後編)

―― わりとシリアスな話なんですね。
伊藤 うん、そういうところがあって。ただ、そこを抜け出した後は、奇跡的な着地を決める最終回まで、わりとパタンパタンと進むんですよ。だから、田菜編でさえ、わりと観る人を選ぶアニメという部分はあったけれども、横浜編になると、もっとそうなるのかなっていう危惧は多少あったり(苦笑)。でも、ちゃんと終わるから! 放り出さないから! 着いてきて!

 上記引用のように脚本の伊藤氏はおっしゃっておられましたが、なるほど「奇跡的な着地」という表現がふさわしい最終回だったと思います。
 歩と須河原、正樹と理絵子、そして成基と希紗の三組によって語られるマテリアルフェアリーについての解釈が、微妙に食い違いつつも微妙に重なりあっていく語り口の上手さが、実に『絶対少年』らしい感じでした。「世界の被膜」の向こう側からやってくるものが、歩の言う通り「自然現象みたいなもの」であるのなら、それもまた世界の一部なのであり、言ってみれば「世界の被膜」の向こう側を含めて世界は成り立っている、ということなのでしょうか。これは、第8話の須河原さんの科白「世界は開いていると思いたい」「世界は決して閉じている訳じゃない」ともつながるような気がします。
 作品の性質は全然違いますが、『勝手に改蔵』のラストの、「僕らの住んでたとらうま町は広かったけれど、その外にはもっと広い世界が広がっているんだよ」というモノローグ(うろ覚えですが)を思い出しました。
 何はともあれ、非常に楽しめる作品でした。また最初からじっくりと見直してみたいと思います。
 ところで、来週からは『学園アリス』の再放送だそうで、その後に『学園アリス』の第二シリーズを制作してもらえたらとても嬉しいのですけれど、やっぱり無理かしらん。